相続手続きが完結するような遺言書でないと意味がない

相続手続きが完結するような遺言書でないと意味がない

「生前に遺言書をつくりたい」というご依頼をたくさんいただきます。遺言書は相続の争いを避けるための方法であると同時に、特定の物を特定の人にあげたいと思う気持を実現させる手段です。

子供や奥さんに住居を確保したいという方。自分の面倒を見てくれた方にちょっと余分に遺産を渡したいという高齢者の方もいらっしゃいます。とくに、法定相続分を越える財産を特定の人に贈与する場合、遺言書は必要不可欠になります。

遺言書の種類

遺言書には、自筆証書と公正証書の2種類ありますが、有効な遺言書を作成しなければ、意味がありません。自筆の遺言書の場合、不備が見つかり、遺言の効力を否定されるケースも少なくありません。
当事務所では、多少費用がかかっても相続手続きが完結する公正証書による「遺言書」の作成を提案させていただいております。

遺言書を作成しても、その遺言書が隠されたり、処分されたりするケースもあります。遺言書(公正証書)をつくったら、だれかに遺言のことを話しておく、探せばわかるところに遺言書を保管しておくことも大切です。
万が一、公正証書を紛失しても、公証人役場に文書が残っていますので、相続人として検索すれば、すぐに取得することができます。

離れて暮らす一人暮らしの親がだまされてお金を取られたら? と心配される息子さんや娘さんには、年齢等、判断能力が十分でない方の財算を管理する後見人制度の利用もおすすめしています。
裁判所に申し立てが必要な後見人制度をご希望の方は、当事務所にご相談ください。

遺産分割協議書の作成

面倒な相続の書類作成は弁護士に一括おまかせを!

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相続手続きに欠かせない重要な書類が「遺産分割協議書」です。すべての相続人が遺産をどのように分けたのかを記したこの文書は、相続人が一人きりの場合、遺言によって遺産と相続人がすべて指定されている場合には不要です。

しかし、遺言書がない場合、相続人が遺産をどのようにわけるのか? すべての相続人が話し合いで決め、まとまった内容を文書化して、遺産分割協議書を作成することになります。 この協議書は、後々、相続人同士が遺産の分配をめぐりトラブルになるのを防ぐ役割を果たすほか、不動産の登記や預貯金の払い戻し等、名義書き換えのために提出する文書としても使われます。

遺産分割協議書作成までの流れ

相続人の間で遺産をどのように分けるか、スムーズに決まる場合は問題ありませんが、もめそうな場合は、当弁護士にご相談ください。

交渉/相談者の話を伺い、遺産の分配を他の相続人の方にご説明。順次、承諾をいただき、遺産分割協議書を作成。承諾を得られない方については、どのような提案をできるか検討し、再度交渉を進める。

遺産分割調停~遺産分割審判/相続人の方に納得いただけない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、調停人に話をまとめてもらう。調停で決裂した場合は、家庭裁判所に遺産分割審判(裁判)を申し立て、裁判官に話をつけていただき、遺産分割協議書を作成。

相続手続き上、相殺される特別受益と寄与分について

特別受益とは

生前に被相続人が相続人に対して贈与していた場合、あるいは遺言書で贈与すると書いてあった場合、それを遺産から外すことにより相続人の間で不公平感が生まれます。
これをなくすために、いったん、それを特別受益として遺産項目に戻して公平に分けようという制度です。

特別受益にあたるもの

  • 普通教育以上の教育を受けるための学費(被相続人の財力、社会的地位により該当しない場合もあり)
  • 住むための家や土地、またはそれを購入するための資金
  • 事業の開業資金
  • 生活費の範囲を超える金銭的な援助

寄与分とは

被相続人の財産の維持や増加に貢献した相続人、介護看護をしてきた相続人など、相続手続きにおいて、単純に遺産を分割してしまうと貢献した人に不利益になるのを避けるために設けられた制度です。ただし、相続放棄をした相続人には認められません。

たとえば、亡くなった父親がやっていた商売を息子夫婦が手伝っていて、給料をもらっていなかった、または少ない生活費だけで暮らしていたケース。息子夫婦は父親のために働き、父親の財産はたくさん残ったけれど、父親を手伝った息子夫婦は見合った収入をもらっていない場合、その分を考慮しないと可哀想だという話です。

この場合、息子夫婦には、法定相続分に寄与分の額が上乗せされて計算されることになります。

寄与分にあたるもの

  • 被相続人の事業(農業、林業、漁業、商売、医師や弁護士など)に従事したが、受け取った報酬が一般的なものより低額だった場合
  • 被相続人の事業のために資金援助をしていた場合、土地建物を提供していた場合
  • 被相続人の事業のために資金援助をしていた場合、土地建物を提供していた場合
  • 扶養義務の範囲を超えて、被相続人の生活費を支払っていた場合
  • 被相続人が払うべき固定資産税や住宅総合保険料などを立て替えて払っていた場合

遺産分割協議書の作成を弁護士に依頼するメリット

遺産分割協議書の作成を弁護士に依頼するメリット

遺産分割協議書の作成は、行政書士、税理士、司法書士にも依頼できますが、相続手続きがうまくいかず遺産分割調停まで進んだ場合、弁護士が必要とされます。遺産分割協議書の作成から弁護士に頼めば、万が一トラブルが発生しても一度で手続きが済むので、なにかとスムーズです。